幸せな人がうらやましい
幸せそうな人を見ると、うらやましくなる。
家族だったり、カップルだったり、
愛する人に囲まれている人たちだけでなはない。
一人でも、力強い幸せオーラを発している人がいる。
彼らはどうして幸せなんだろう?
「愛すべき人がいる」「お金がたくさんある」
ということが、すぐに幸せに結びつくとは限らない。
経済的に豊かな国のほうが自殺率は高い傾向にある。
経営者のなかにも苦しんでいる人はいるだろうし、
ホームレスのなかにも幸せな人はいる。
本人をとりまく外部的な条件ではなくて、
その人自身の内面的な要素が強く関係しているのだ。
「小さいことを気にしない」
ありきたりなアドバイスだ。でも、
ほとんどの人はその真意をとらえていない。
小さいこと=「服についた醤油のシミ」ではない。
いま自分が深刻に考えている問題が、
実はとるに足らない、小さなものにすぎない、
という視点の転換をねらったことばだ。
宇宙の果てから、この地球という惑星の、
日本という島の、ある小さな市町村を移動する、
ひとつの生命体の、悩みを眺めてみてほしい。
「このままの人生でいいのだろうか」
「この会社を辞めて転職すべきだろうか」
「あした仕事に行くのが嫌だ」
「ゼミのプレゼンがうまくいくか不安だ」
「しみ・しわが増えてきた」
「髪が薄くなってきた」
人間という生命体は、こんな悩みごとを
頭のなかにモワモワと漂わせながら生きている。
なんていじらしく、かわいい生物なのだろう。
人間は、自分でコントロールできないことを、
占い師に相談したり、コンサルタントを雇ったりして、
なんとか制御しようと試る。
マジメで、几帳面な人ほど、
自分でどうにかしなければと思って悩んでしまう。
人生は、一人でコントロールできない。
人は、人と関わらなければ、生きていけない。
ひきこもりは表面的に人間関係を絶っているが、
どんな家族よりも強い親子関係で結ばれている。
人が社会のなかで暮らす以上、
運命とはみなで共有しているものなのだ。
無人島に独りぼっちで暮らすことで、
他者という不確定要素の影響を除外しない限り、
一人だけの運命や人生というものは確立できない。
人と付き合わない非社交的な人たちは、
他者からの影響を最小限に抑えようとしている。
しかし、どんなに注意深く他者を排除しても、
その影響から逃れることはできない。
いっそのこと閉じた態度を反転させて、
未確定の海に自分を投げ出したほうがいい。
「リスク」とは、不安定な要素のこと、
どうなるか分からない未来の振る舞いのことを言う。
ハイリスク・ハイリターンの法則通り、
不安定な世の中にその身を晒さなければ、
多くを得ることはできないのだ。
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